石内都写真展「ひろしま/ヨコスカ」(@目黒区美術館)

行ってまいりました。ずっと見たいと思っていた写真家さんの展覧会です。

この方の作品で有名なのは、母親の遺品を写した写真。写真によって、身体、皮膚、女性というものを考えさせる写真家。
今回は、彼女の初期の作品から最近の作品まで並べられていて、そうやって並んでいるの順に見ていくと、彼女のテーマ――傷痕、なくなった母親の遺品、さびれた町。不在を意識させるものを写し出す手法。――って、変わらないのかもしれないなあ、と思った。



今回新しく公開されたのは、去年広島現代美術館で公開された、広島の原爆で亡くなった方の焼け焦げた服を写したもの。
どなたかも書いていらしたけど、その服が、戦争中の国民服、もんぺっていうたぐいのものではなく、華奢なレースの美しい服だったりするのに、驚いた。おそらく戦争中は、あまりおおっぴらに着ることができなかったであろう、華やかな服に袖を通した朝、彼女たちは亡くなったのだ。
その落差、残酷さ。

映像作品としても展示されていた。